田中結花ヴァイオリン教室NEWS

　全国ジュニアクラッシック音楽コンクール、コンクールの収穫その2のお話です。

 

小学3年生のMちゃんは、私の大学の友人からの紹介で一年半前から当ヴァイオリン教室に通っています。

Mちゃんは3歳からヴァイオリンをはじめ、お父様のお仕事の関係で各地に行かれ、私で3人目の先生です。

とても指が回り、生き生きとした音楽をするMちゃん。

 

レッスンで、出した課題は何でも器用に弾いてきます。とても感覚が良く、音楽の捉え方が良い意味で独特。Mちゃんの楽しい音楽は止まる事はありません。しかし"待てよ…"私は心を鬼にして(笑)あえて止める役となる事にしました。

お父様のお仕事の関係で東京で過ごす時間に期限がある事を知り、「基礎力をつける」と、目標を立てました。

 

そんな中、1年目は大きい生徒さんに混ざってのアンサンブルの練習に挑戦。2年目はコロナ禍になってしまい、モチベーションを上げる事が出来ない状況になり、お母様は何か目標を持たせたいと、コンクールをお考えになりました。

一方私は、「基礎力基礎力」と"週に一回のレッスンでは足りない…"と内心思いながらレッスンをしていた次第でした。とてもコンクールに手を出す余裕はありませんでした。

 

そんな時Mちゃんを私に紹介してくれた友人は、ピアニストであり優秀な指導者。実は友人とMちゃんのお母様は、Mちゃんと友人のお子さまを通じてのママ友です。友人から、「コンクールはMちゃんには良い成長になるのではないかな」と。確かにモチベーションが上がらなければ基礎力もあったもんじゃない(笑)と思い挑戦する事となりました。

 

結果、Mちゃんにとってコンクールの収穫は大きいものとなりました✨

ヴァイオリンを弾く事の大好きなMちゃんですが、地道な練習は大の苦手。

お休みの日は何時間もお稽古に時間をかけますが、実際の練習時間は1〜2時間。

予選の曲のレッスンがはじまりましたが、案の定基礎の部分の音程リズム音色、全てを殆ど最初からやらなければいけませんでした。ビブラートもまだかけた事もなく、お家でのお稽古もますます長い時間となったと思います。

しかし目標がある、というのは凄い力を発揮します。一回一回のレッスンでメキメキ腕を上げていきました。勿論音階やエチュード、ビブラート、同時進行です。

面白いのはMちゃんの独特な歌い回し。閃きで弾くMちゃんの音楽に、「どうしてそう弾くのか？」と常にその閃きに裏付けをするレッスンは、本当に楽しいものでした♪

[本選][全国大会]の曲は私が決めました。[予選]が終わった時点で私の考えが変わりました。[予選]の練習をしている時点で[本選]で弾こうと目星を付けていた曲ではなく、楽譜も準備されていない新曲です。 Mちゃんにとって1番苦手な地道な練習無しでは絶対弾けない曲です。譜読みを早くしなくてはいけませんが、難しくて譜読みさえ前に進まないのです。しかしMちゃんは見事に地道な練習に耐え、最後の全国大会では難しい曲と感じさせない、爽やかな演奏を聴かせてくれました。そして裏付けされた音楽を越えた、心から喜んでる音楽がMちゃんの体から溢れていました。

 

小学生は小学校で色々な行事もあったり、お友達と遊んだり、勉強をしたり、、何一つ欠かす事が出来ない時期です。そんな中ヴァイオリンもやっていくとなると、並々ならぬバイタリティが親子共々必要になります。目標を持つ事が、Mちゃんの成長を見て本当に大切だと思いました。

コンクールは発表会と違い、目に見える目標が出来ます。コンクールを上手に使い、大きく成長する目標にしていければと思います。

実は今までコンクールに対してあまり良いイメージを持っていませんでしたが、CちゃんMちゃんの成長と親子共々の頑張りをみて、何にも変え難い大切な時間がここにあり、未来に繋がっていくと感じました。

少し背伸びをして手をのばすと、素晴らしい収穫があるものですね。

 

気持ちの良い収穫の秋、芸術の秋でもあります✨

さぁ次はクリスマスコンサートに向けて、みんなで楽しみましょう♪